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認知療法とは

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認知療法とは、「思考(認知)」が「気持ち(感情)」や「行動」にどのように影響を与えるかについて焦点をあてながら、困りごとの解決を図る治療法です。認知療法も含めた総称として「認知行動療法」と呼ばれることもあります。

認知療法は、私達の状況の捉え方や解釈(認知)が、不安を持続させているという理論に基づいています。つまり、自分が信じていることや考えていることが、感情や行動に影響を与えているということです。これが意味するのは、社交場面で自分の頭をよぎるいくつかの考えによって、強い不安が生じてしまい、さらに行動にも影響を与えている可能性があるということです。

社交不安症の認知療法では、患者さんは治療者(セラピスト)の支援を受けながら、社交場面で生じる否定的な「思考(認知)」や「行動」に気づき、さらにそれがどのように社交不安を維持させているかを理解していきます。その後、ロールプレイやビデオフィードバック、行動実験といった様々な技法を学び、日常生活の中でもこれらを実践しながら、否定的な思考・認知を検証したり、別の行動を試みることで社交不安の問題の解決を図ります。この治療では、社交不安症を抱える人がこれらの技法を日常生活に取り入れながら、最終的に『自分が自分自身の治療者になる』ことを目指しています。これにより、治療が終わった後あるいは治療者(セラピスト)の支援がない状況でも、自分自身で社交不安の問題をコントロールすることが可能になります。

これまで世界中で行われた様々な研究で、社交不安症を抱える人に対して認知療法が有効な治療であることが示されてきました。実際に日本や海外の社交不安症の診療ガイドラインでは、お薬を使わない治療として認知療法が推奨されています。英国のガイドラインでは、お薬も治療の選択肢としてある中で、認知療法が第一選択治療として推奨されています。

 

また社交不安症を抱える人は、すでにお薬の治療を受けている人も少なくありません。しかし、お薬の治療だけで症状が改善する人は決して多くないともいわれています。日本で行われた研究では、お薬による治療で改善しなかった患者さんに認知療法を行うことで、社交不安症状や生活上の困難が大幅に改善したことが示されています。この研究の成果については、「日本経済新聞(WEB版)」でも紹介されています。

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社交不安症の認知療法は、通常は1対1の対面での面接で提供されます。私達の研究グループはこの治療法をさらに普及するために、英国のオックスフォード大学と共同して、インターネットプログラム(internet-delivered cognitive therapy for social anxiety disorder:iCT-SAD)を開発しました。英国と香港で行われた研究では、このインターネット認知療法(iCT-SAD)の治療効果が明らかになっており、特に英国の研究では対面面接と同じぐらいの治療効果が示されています。


以下から、社交不安症のインターネット認知療法(iCT-SAD)のウェルカムビデオを視聴できます。こちらは実際に治療を始める方に向けたビデオになりますが、どのような治療が行われるかをイメージする上で役に立つでしょう。

社交不安症のインターネット認知療法

日本でもインターネット認知療法(iCT-SAD)についても予備的な検討は行われており、この治療プログラムが日本人の社交不安症の方にも効果的である可能性が示されています。この予備的な結果を踏まえて、今回研究では日本人の社交不安症を抱える方を対象に、日本版インターネット認知療法(iCT-SAD)と通常治療を併用することが(介入群:iCT-SAD+通常治療)、通常治療のみを継続する場合(対照群:通常治療単独)と比較して優れているかを検討します。

それでは、具体的な研究の内容をみていきましょう。

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